みんな、ここから
砂のお城を作ろうとして
波と喧嘩する
どうしてもここがいい
そう言い張って聞かない
風に舞うのは
潮の香りだけじゃなくて
砕け散る紫の入道雲
それでもあなたは遊ぶ
歩いてここまで来たこと
道に迷って静かになったこと
滅びていく景色に気づいて
それでも帰ろうとしなかったこと
足がもつれて転んでも
その震える唇は
決して痛いと言わなかったこと
わたしがみているわ
わたしがきいている