それでは皆様長らくお待たせいたしました。論文『たましい、無意識、時々自我っ』にてついに、人類の謎を解き明かすことに成功されました次世代精神科学の星、イカガワ・C・ウォミセ教授です!

  パシャッ   カシャ カシャ カシャ

「えー、皆さん本日はこのような場を設けて頂き、感謝申し上げる限りであります。...恥ずかしながら私少々緊張しております。こんなに大勢の記者の方々を前に話をしたことありませんからね。セクハラ疑惑以外では。」

フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ

「えー、本日は何を隠そう、人類が誕生したその瞬間から共に歩みながらしかし、誰にも解明されることの無かったたましい、無意識、そして自我。これらの構造、心という見えないものを解明する大きな一歩となる理論をここに発表致す次第であります。」

  パシャッ   カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ

「もう少し早く解明できていれば私も訴えられずに済んだのだがね。」

フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ

「えー、本日は時間も限られているようなので本論分の中核だけ皆さんに解説致します。こちらの図をご覧ください。」


  パシャッ   カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ 

「この図を見ると分かるように自我とたましいは完全に分かれていますね。元来たましいというものは何か人間の中にあるかのように捉えられてきたと思うのですが、違ったのです。外にあった。つまり我々の自我は直にたましいと接触することはできないと、こういうわけなんですね。計算尽くでお尻は触れないのです。」

フフフフフフ

「...失敬。」

 パシャ

「...コホン。ではどうすれば触れる...じゃなくて、たましいとの交信を我々は図れるのか   その働きをしてくれているのが無意識なのですね。この図のように自我を包み込むようにたましいと繋げているわけです。言うなれば、無意識はたましいのアンテナですね。具体的に、例えば我々の見る夢は見ようと思って見ているものではありませんよね?夢はたましいからのメッセージなのです。構造的にはたましいが、無意識を通して、自我に訴えかけるもの。それが夢なのであります。」

  パシャッ   カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ

「また、この無意識の斜線は自我でもたましいでもない部分にまで跨っていますよね?ここには身体他、身の周りの出来事が該当します。つまり身体の不調であったり、事故であったり、はたまた超常現象なんかも、たましいからのメッセージを無意識が我々に知らせているものだということが分かったのです。例えば恋をしていると不思議なことがたくさん起こるものですが、こういうことなのですね。私も恋をしていたが故に、無意識に、手が伸び...いえ、話を戻しましょう。」
「我々は常にたましいから何かしらのメッセージを受け取っています。しかし、無意識、アンテナがうまく働かないとそれが受け取れなくなってしまう。たましいと自我が切り離されてしまう   それが積み重なった結果、人々は多大な災難をこうむる事になってしまうかもしれない。そうならない為にもアンテナを磨く、アンテナを感じる為の自我を磨く、ということを常々気をつけなければならないのです。」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

   教授、ありがとうございました。それではここから質疑応答へ移ります。

Q「非常に興味深い理論でした。これはどのような研究を通して構築されたのですか?」

「これは」

  パシャ   カシャ カシャ カシャ

「私の失恋のショックから構築いたしました。」

    パシャ

「だからつまり...感覚?」




 フ、フフ